2012年12月31日月曜日

メイキング・オブ・鐘の音 秘話

あと数時間で2012年も終わろうとしています。

もうすぐ除夜の鐘も聞こえる頃です。

西響にとって2012年の最大のイベントは言うまでもなく 第100回記念演奏会 です。

メインの曲は「幻想交響曲」だったわけですが、この曲をメインとして選曲されたのは2年前。
「幻想」に決まってから問題となったのは最終楽章に使われる鐘の音。
さてどうしましょう、と運営委員長のI氏はあちこち探しまわりました。

関西のプロオケが使う鐘は東京からわざわざ借りて持ってくるそうです。
掛かる費用は20万円。 鐘には金がかかる!
財政ひっ迫中の西響には数小節の鐘にそんなお金はかけられません。

チューブラーベル(のど自慢で使われるあの鐘です)での代用も考えていました。

しかしI氏はアバドがシカゴ交響楽団での「幻想」で広島の平和の鐘を別録りで使用したことをヒントに、
「サンプラー」という機械を使って再生することにしました。

当初、I氏はシカゴ交響楽団が広島の平和の鐘を使ったように、西宮市内お寺の鐘を使用しようと試みました。
そして、お寺に行って録音機をセットし、鐘をつきいると・・・カラスが 「カー カー」

I氏の努力も空しく、西宮市内のお寺の鐘はあきらめることとなりました。

その時すでに今年の8月のことでした。
お盆の頃、I氏は突如、東京の実家に帰省中のT嬢に急きょ「鐘の音ミッション」を依頼することを思いつきました。

早速、宅急便で録音のための機材一式をT嬢の実家に送り、電話にてT嬢に説明。
録音機を携えたT嬢は、都内の打楽器専門会社を訪ねました。
T嬢はそこでスタジオとG音・C音の2台の鐘をレンタル。
雑音が入らないようにとクーラー、換気扇を切り、2台の鐘を強音・弱音それぞれたたき分けて録音してきてくれました。
かかった時間は1時間。

その音をもとにコンピューター専門家であるI氏が調整を行い、
本番には見事な鐘の音を披露することができました。

お聴きになったお客様はどうやって鐘の音を出していたか不思議に思われたかもしれません。

この「サンプラー」さえあれば、「1812年」の大砲も舞台で再現できます。
ただし、大砲の音を自衛隊訓練時に録らなくてはいけないかもしれませんが・・・





今の兵庫県芸術文化センターです。
クリスマスツリーの点灯は1月頃まで行われているようです。

次回第101回定期演奏会もこちらの芸文センターで開催する予定です。
来年も西響の応援をよろしくお願いいたします!


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